【光造形】造形後の後処理手順について【Photon】

光造形
この記事は約9分で読めます。

 ここでは、Anycubic photonでの造形後のレジンバット等の後処理手順について解説していきたいと思います。

 基本的には、問題なく造形できていれば、次回もレジンバットはそのまま使用可能ですが、

”一部または全部、造形失敗していた場合”

”レジンバット内にゴミが混入している場合”

”レジン種を交換したい場合”  等では、レジンバット内等を一度清掃する必要があります。レジンバット内のレジン液中に造形失敗した時の造形破片やゴミが混ざっていますと、次の造形の際に邪魔してしまい失敗してしまう恐れがありますので、清掃が必要となってきます。

 清掃工程にはレジン種によって異なり、「アルコール洗浄が必要なレジン種」「水洗いレジン種」によって手順内容が別れますので、各々解説していきたいと思います。

この記事内容はこんな方に向けております( ..)φ

・Anycubicのphoton機で造形出来たけど、後片付け手順が分からない…
・これから光造形機を買ってみたいが、どんな手順となるのか知りたい

まずは下記記事内容をご覧頂き、御参考になったり、興味を持って頂ければ幸いですm(_ _)m

※筆者の個人的な方法となりますので、御参考頂き、お好みで要・不要な工程をアレンジして頂ければと思います(^^♪

本記事の造形機種は「Photon-S」での内容となりますが、他機種でも引用できるかと思います。

また、後処理に使用する備品類は別ページにて、解説しておりますので、こちらも御参考頂ければ幸いです。

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「アルコール洗浄が必要なレジン種」での後処理

 水洗いレジン種以外は、基本的にはアルコール洗浄が必要なレジン種となります。

一般的なUVレジンの他、”高強度のタフレジン””ゴムライクのフレキシブルレジン”等があります。

 アルコール洗浄が必要なレジン種において、造形完了後の造形品の取り扱いやレジンバットの清掃等の後処理について解説していきたいと思います。

造形品の取り外し、アルコール洗浄

 造形完了後には、下図のように造形体がプラットフォーム面に引っ付いたまま宙づり状態となっておりますので、プラットフォームを取り外して、スクレーパーで造形体を剥がします。

※素手でレジンやアルコールにあまり触れないようゴム手袋等を装着しておきましょう(‘ω’)ノ

 この時、造形体はプラットフォーム面にかなり強く密着しており、剥がす事が難しい状態です。その為、先が丸いスクレーパーでは剥がすことは非常に困難な為、鋭利なスクレーパーを使用した方が剥がしやすいです。但し、この時力任せにガシガシ剥がそうとすると、造形体が破損したりまたは、プラットフォーム面に傷がついたりするので、少しずつ慎重に剥がしていきましょう( `ー´)ノ

注意点

※特にプラットフォーム面に傷が付くと、次回以降の造形がプラットフォーム面に付かなかったり、レジンバット等のFEPフィルムに傷がついたりすると非常に厄介ですので、要注意です!!

アルコール洗浄作業

 剥がす事が出来た造形品をアルコール洗浄していきます。アルコール洗浄用のタッパー等の容器に一定量のアルコールを入れておき、そこに漬けながら、洗浄していきます。ただ、漬ける前に造形体を先にキムタオルやティッシュペーパー等で表面に付いているレジン液を大まかに拭き取っておきます。(洗浄用アルコールを使い回す際に、出来るだけ汚さずに済みます。)

 拭き取ったら、アルコール容器に漬けながら、シリコン製刷毛を使いながら、各部表面についたレジンを落としていきます。
 ※洗浄用アルコールを入れた容器をもう1~2個用意しておき、洗浄作業を容器を移しながら行っていけばより完璧に表面のレジンを取り除くことが出来ます。

 

 アルコール洗浄が出来たら、造形体がしっかり乾くまでバッド等で乾かしておきましょう。

レジンのろ過作業、備品洗浄作業

 レジンバット内のレジンを元の容器に戻す際には、レジン内に造形カスやゴミ等が混じらないようストレーナー等でろ過しながら戻します。

(※基本的には問題なく造形できていれば、次回もレジンはそのまま使用可能ですが、下記のように

”一部または全部、造形失敗していた場合”

”レジンバット内にゴミが混入している場合”

”レジン種を交換したい場合”  等では、上記のようにレジンバット内等を一度清掃する必要があります。)

 下図のようにロートにストレーナーを設置して、レジンバット内のレジンをろ過しながら元の容器に戻します。ある程度流したらレジンの節約と清掃の為、残りは”プラスチックヘラ”等で、レジンバット内をレジンをかき集めて、ろ過しましょう。(※プラスチックヘラはあまり尖ってないもので、FEPフィルムを傷つけないように注意!

 レジンを戻し終えたら、アルコールを染み込ませたキムタオルやティッシュ等でレジンバットを拭き上げていきます。バット内部の隅の方は拭きにくい為、アルコールを染み込ませた”ベビー用綿棒”を使うと隅の方のレジンも取れやすくなります。

 各部アルコール洗浄出来たら、最後に眼鏡拭き等の”マイクロファイバークロス”でFEPフィルムを表裏共に拭いておきます

 また造形機側のUV照射パネル面が汚れていたら、上記のようにアルコールを染み込ませたティッシュ等で拭き上げ、またマイクロファイバークロスで拭いておきます。

 出来たらレジンバットは外に出したまま放置しておくと、埃など引っ付いてしまうかもしれませんので、造形機にセットしておきましょう。

 また使用した備品類(スクレーパーやロート、プラスチックヘラ等)もアルコールを染み込ませたティッシュ等で拭き上げ、レジンの汚れを取り除いておきましょう。

 後は各品乾燥させれば、完了です!お疲れさまでした ^^) _旦~~

「水洗いレジン種」での後処理

 水洗いレジン種では基本アルコールでの洗浄は不要ですので、上記のようにアルコールでの拭き上げでなく水道水等での水洗いで対応可能です。

注意点

 水洗い可能なレジン種以外では、水洗いしても”下水道法”の排水ルールの法令により、そのまま排水できませんので要注意です!
※お住まいの各自治体に排水のルールが異なり、水洗いレジンの種類によってはそのままの排水がNGの可能性がありますので、詳しくは各自治体にご確認下さいませ m(_ _)m

 水洗いレジン種での造形完了後の造形品の取り扱いやレジンバットの清掃等の後処理について解説していきたいと思います。

造形品の取り外し

 造形完了後には、上記レジン種と同じく造形体がプラットフォーム面に引っ付いたまま宙づり状態となっておりますので、プラットフォームを取り外して、スクレーパーで造形体を剥がします。

※素手でレジンにあまり触れないようゴム手袋等を装着しておきましょう(‘ω’)ノ

 造形体はプラットフォーム面にかなり強く密着しており、剥がす事が難しい状態ですので、鋭利なスクレーパーを使用した方が剥がしやすいです。この時力任せにガシガシ剥がそうとすると、造形体が破損したりまたは、プラットフォーム面に傷がついたりするので、少しずつ慎重に剥がしていきましょう( `ー´)ノ

注意点

※特にプラットフォーム面に傷が付くと、次回以降の造形がプラットフォーム面に付かなかったり、レジンバット等のFEPフィルムに傷がついたりすると非常に厄介ですので、要注意です!!

レジンのろ過作業

 レジンのろ過作業工程は、上記アルコール洗浄タイプのレジン種での工程と同様です。

 レジンバット内のレジンを元の容器に戻す際には、レジン内に造形カスやゴミ等が混じらないようストレーナー等でろ過しながら戻します。

(※基本的には問題なく造形できていれば、次回もレジンはそのまま使用可能ですが、下記のように

”一部または全部、造形失敗していた場合”

”レジンバット内にゴミが混入している場合”

”レジン種を交換したい場合”  等では、上記のようにレジンバット内等を一度清掃する必要があります。)

 下図のようにロートにストレーナーを設置して、レジンバット内のレジンをろ過しながら元の容器に戻します。ある程度流したらレジンの節約と清掃の為、残りは”プラスチックヘラ”等で、レジンバット内をレジンをかき集めて、ろ過しましょう。(※プラスチックヘラはあまり尖ってないもので、FEPフィルムを傷つけないように注意!

水洗い作業

 水洗いレジン種では、造形体 及び 備品類は水道水などの水で洗浄します。

下図のように容器に水を溜めて、筆などを使って造形体やプラットフォーム等の備品を洗浄していきます。プラットフォームは接続部等にレジンが残りやすいので、筆を駆使して洗浄しておきましょう。

※洗浄している水は出来るだけまだ排水しないよう、注意しましょう

洗浄出来たら、乾くまで乾燥させておきます。

レジンバットは、バット内に少し水を溜めて筆で各所を洗浄します。洗浄した水は容器に返しておきます。

 使用した洗浄水は未硬化状態のレジンを含んだ状態ですので、水洗いレジン種だとしてもそのまま排水するのはあまり良くはありません。その為、下記の処理をしておきます。

 ①容器内の洗浄水に食器用洗剤等を加えて、少し混ぜます。

 ②その後約1日陽射しに置いて、洗浄水中のレジンを硬化させてから、ろ過して排水します。

ただ、1日放置しておくのが手間でもあるので、私は小型のUVライトを使用して洗浄水にUVを当てて、洗浄水中のレジンを硬化させております。

 

 UV照射すると、容器内の表面でレジンが固まり、固着します。固着を取る為、たわしやスコッチブライトのようなスポンジたわしを使用して、容器内を擦って固着物を剥がしておきます。

 その後、ストレーナーでろ過しながら洗浄水を排水します。

後は、洗浄した各備品等を乾かしたら、完了です。

レジンバット、造形機の拭き上げ

 レジンバットは洗浄後、キムタオル等で水滴を拭き上げ、最後に眼鏡拭き等の”マイクロファイバークロス”でFEPフィルムを表裏共に拭いておきます

 また造形機側のUV照射パネル面が汚れていたら、アルコールを染み込ませたティッシュ等で拭き上げ、またマイクロファイバークロスで拭いておきます。

 ※出来たらレジンバットは外に出したまま放置しておくと、埃など引っ付いてしまうかもしれませんので、造形機にセットしておきましょう。

上記の工程により、完了です。お疲れさまでした ^^) _旦~~


 今回は光造形後のレジンバット等の後処理手順を簡単にまとめていきました。

水洗いレジンにしても、アルコール洗浄のレジン種にしても一見作業工数が多く、時間が掛かりそうですが、慣れていけば約10分程で行う事が出来ます

それでも、やはり手間は手間なので、なるべくレジンバットの処理をすることが無いよう、失敗しないコツをつかめていけば、連続でどんどん造形していけますので、頑張ってください!( `ー´)ノ

以上
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
Special Thanks to YOU!

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