【光造形】造形条件での強度検証①(試験準備編)

光造形
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 今回は検証編として、光造形における各条件でどのような強度に影響が及ぼすか検証したいと思います。

 本ブログでanycubic photonでの光造形手法を紹介してきましたが、スライスでの条件2次硬化による条件等で造形品の強度に違いが出てきます。今回は以下の方法での検証方法、比較内容で強度検証を行った結果を紹介していきたいと思います。

※基本的な造形手順については以下の記事を御参照頂ければ幸いです。

参考記事

検証方法

試験規格

 まずは造形品の強度検証方法について記載していきます。

専用の試験機を用いた強度試験を出来れば良かったのですが試験機等は所有していない為、プッシュプルゲージを使用した「JIS K 7171 プラスチック−曲げ特性の求め方」に準拠した以下の形式で試験を行っていきたいと思います。引張圧縮試験機みたいに自動での測定やグラフ抽出は出来ない為、あくまで「最大荷重(kg)」「曲げ強度(MPa)」の測定のみの検証ですが、ご了承下さいm(_ _)m

(※JISとは日本産業規格 Japanese Industrial Standardsの略で、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のことです。)

引用:https://www.an.shimadzu.co.jp/apl/chemical/plastic07.htm

測定器

プッシュプルゲージは下記のbeslands製のものを購入しました。

最大荷重は500Nまでで、様々なアタッチメントにより引張荷重 及び 圧縮荷重を測定できる物ととなっております。

”https://www.amazon.co.jp” より引用 

治具の造形

 上記の試験規格に沿った形式で試験を行うにあたり、各試験治具を光造形で準備していきたいと思います。プッシュプルゲージのアタッチメントには本試験に合った圧子パーツが無い為、造形で作っていきます。また、支持台治具も同様に試験規格に準拠した形で作っていきたいと思います。

 

3D CAD

 3Dデータ設計は、いつも通りにAutodesk社の「Fusion 360」の3DCADを使って設計していきたいと思います。こちらの3D CADは個人利用であれば無料で使用できる3DCADであり、操作性はかなり使いやすいものとなっております。

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圧子治具

 試験規格より接触部分のR5の指定のみである為、下図の寸法にてに適当に設計していきます。

また中央に目印用に0.3mm程の溝も設置しておきました。

 プッシュプルゲージの取り付けネジ部分を確認してみるとM6のネジ寸法であった為、M6の雌ネジも作ります。雌ネジの作り方は、まずは中央にφ6の円柱を「新規ボディ」で重なる形で押出で作ります。

次に「作成」-「ねじ」により、作成した円柱を選択してM6の雄ねじを作ります。次に「修正」-「結合」より、ターゲットボディを本体、ツールボディを上記雄ねじを選択して、操作項目にて「切り取り」を選択すると、雄ねじ部分が切り取られ雌ネジが出来ます。

最後に雌ネジ開口部にてC面を付ければ完成です。

(※「修正」-「面取り」では上手くC面が作れない為、「回転」によりC面形状を切り取って作ります。)

支持台治具

 試験規格より支持台は接触部分のRと支点間距離の指定となっております。今回の試験片の厚みは4mm としたい為、接触部分の半径:R5支点間距離:64mm を守って、下図の寸法にてに適当に設計していきます。

 支店部分に目印用に0.3mmの溝を設置し、各部をフィレット付けをすれば、完成です。

スライス変換

前回3D CAD(Fusion 360)より、設計・作成したSTLファイルの3Dデータから anycubic photon機専用のスライサーソフト「Photon Workshop」を使ってスライス設定していきたいと思います。

 各治具の必要部分がしっかり形成できるよう下図のような向きで造形していきます。この時に圧子治具の雌ネジが密封されないよう、「Bottom layers」のボトム層を0にしておきます。

 

造形

レジンはいつも通り、処理が簡単な水洗いレジンのELEGOO Water Washable Photopolymer Resin」を使用します。
※UVレジンは、アルコール洗浄のものが多いですが、アルコール溶剤は匂いやアレルギーに対しての懸念また廃液処理等が面倒ですので、やはり後処理が簡単な水洗いレジンがおススメです(^^♪

 上記のスライス変換したデータより造形します。

…(造形過程は省力しておきますm(_ _)m)…

 形状も問題なく造形出来ました!

早速圧子治具も取り付けてみます。

→少し固かったですが、無理やり回しながら何とか取り付けられました。


 今回は光造形の条件での強度検証をするべく試験準備編として、試験治具の製作を行っていきました。

 造形品の強度試験としては、引張試験や衝撃試験等のJIS規格の試験もあるのですが、試験機が無い事や引張試験は規定のダンベル試験片のサイズが所有の造形機では造形できない、また試験時の破断時には非常に危険な事から簡単な3点曲げ試験を行う事にしました(*_*;

 JISに準拠したといっても結構アバウトな試験内容となってしまった為、造形条件での違いをイメージとして御参考にして頂ければ幸いです。 ^^) _旦~~

 次回は、各条件での試験片の製作、試験検証を行っていきたいと思います。

次回の記事

以上
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
Special Thanks to YOU!

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