今回は実用編として、光造形で作った部品を用いて食洗機の給水を”半自動化”する為の装置部品についての事例を紹介していきたいと思います。食洗機は食器を自動で洗う為の家電であり、分岐水栓による自動給水タイプと給水は自分で行うタンク式タイプがありますが、私の住まいは賃貸マンションで蛇口も分岐水栓が出来ない仕様であった為、工事不要のタンク式タイプの食洗機を使用しております。
しかし、タンク式の食洗機は給水がこれまた面倒であり、結局時短になってない……(*_*; と感じて、何か給水を時短化出来る方法を検討し、光造形で部品を設計・製作して、下記のような内容で給水を半自動化する事が出来ました!ので、事例を一つずつ作業内容毎に紹介していきたいと思います。
分岐水栓工事の出来ないタンク式の食器洗浄機をお持ちの方は一度是非参照頂き、ご参考になれば、幸いです(^^♪
食洗機について
いつも家事を行っている中で食事後の食器洗いがいつも面倒に感じており、思い切って食洗機を買ってみる事にしました(^^♪
上記の食洗機はタンク式タイプであり、私の住まいは賃貸マンションの為、工事不要のこちらのタイプにしました。また一日でそんなに食器を使わない事や価格が比較的安い事からこちらの食洗機を選びました。
実際使ってみると下記のような手間があり、
・食器を並べる手間 ・汚れがひどい時はある程度食器を軽く洗わなければならない。 ・手動で給水しなければならない。
上記の手間から、時短になっているのか良く分かりませんでした(-_-;)…。 でも慣れていくと食器も並べ方も早くなり、どの程度の洗いが必要かも分かってきて時短になってきました。しかし、給水だけはやはり毎回2~3分時間を取られてしまい面倒に感じてました。
その為、この給水の手間を”半”自動化する為に簡易的な装置を考える事にしました。
給水装置について
装置については単純なもので、流しの蛇口からホースに繋いて、タンク給水口に流すといったもので簡単に脱着できるものが良いと考えました。
大きなホースは邪魔になる為、細目のホースのようなものにして、またタンク給水口への部分はしっかり固定して給水できるよう下記のL型ワンタッチ継ぎ手で代用しました。
●ホース
●L型ワンタッチ継ぎ手
後は蛇口とホースとの継ぎ手部品、またL型ワンタッチ継ぎ手を固定する部品、ホースや蛇口の水除け部品を光造形で設計・造形して作る事にしました。
造形部品 設計
採寸
各部品を設計にあたり、蛇口やホース、またL型継ぎ手の各部を採寸していきます。
3D CAD
3Dデータ設計は、いつも通りAutodesk社の「Fusion 360」の3DCADを使って設計していきたいと思います。こちらの3D CADは個人利用であれば無料で使用できる3DCADであり、操作性はかなり使いやすいものとなっております。
造形部品
蛇口継ぎ手
流し蛇口とホースを繋ぐ為の継ぎ手です。蛇口先端が継ぎ手を取り付けるのに少し難儀な形をしている為、採寸から下図のような継ぎ手を設計しました。
正直何度か失敗しトライ&エラーで作り替えながら、設計しておりました(*´з`)
最終的には上図のようなもので、上手く蛇口に取り付ける事が出来ました。ホースも固めに圧入しましたが、それでも水漏れが起こるので最終的にテープでぐるぐる巻きにしました(-_-;)。
L型ワンタッチ継ぎ手固定具
L型ワンタッチ継ぎ手を食洗機の給水タンク口付近に固定する為の固定具です。L型継ぎ手の採寸から、下図のように設計しました。
細いリブで抜け防止に使用としましたが、何度も落ちてしまい最終的にはテープで上から固定する事にしました(-_-;)。
蛇口水除
蛇口継ぎ手から蛇口側へ漏れた水を流しへ排水する為の水除けです。蛇口の柄部に差し込む仕様として、蛇口の径寸法から下図のように設計しました。
蛇口の柄部に差し込み勘合させようとしましたが上手く固定が出来なかった為、これも最終的にテープで止めました。
ホース水除
蛇口継ぎ手からホース側へ漏れた水を流しへ排水する為の水除けです。ホースの外径寸法から下図のように設計しました。
ホースにて蛇口継ぎ手の下あたり取り付けて、水漏れを排水させる狙いとしました。こちらは意外とホースとフィットして固定できました。
各作成したモデルデータを”エクスポート”で「STL形式」で保存します。
(※造形する為にはSTL形式に変換する必要があります。)
今回は「食洗機(タンク式)の半自動給水装置」としての設計について、解説していきました。タンク式ですので給水は手動で頑張っていましたが、半自動化する事で給水中に別の作業を行う事が出来、大変重宝出来るものとなりました!
どれもワンタッチの固定が難しく結局、テープ貼り付けでの固定が多くなりました(-_-;)。でも上手く稼働していますので、OKです(^^♪
次回では作成したデータから造形を進めていきたいと思います。
次回の記事
以上
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
Special Thanks to YOU!
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