光造形で失敗する場合の原因に、造形機のレジンバットのFEPフィルムに凸凹・傷がある、または破れにより失敗する事があります。(*_*;
今回は、Anycubic photonのレジンバットのFEPフィルムの張り替え方法について解説していきたいと思います。
この記事内容はこんな方に向けております( ..)φ
・レジンバットのフィルムが凸凹が大きい、破れているので張り替えたい ・フィルムの貼り替え方が分からない… ・フィルムの貼り替えるコツ等が知りたい
※ 本記事の造形機種は「Photon-S」での内容となります。
FEPフィルムについて
FEPフィルムとは、下図のように造形機のレジンバットの底に張っているフィルムが「FEPフィルム」となり、UVライトを通し、また造形物がプラットフォーム面の方に固着させる為、造形物が剥がれやすいものとなっております。
このFEPフィルムに傷や破れがあると、下記のような事が起こる恐れがあります。
・造形物にフィルムの傷痕が転写される。 ・造形が失敗する。 ・レジン液が機器内に漏れ、造形機の故障へ繋がる。
FEPフィルムに傷や凹凸が大きいと造形物に転写されたり、失敗するだけでなく、破れている場合には、レジン液が機器内に漏れて造形機が故障する恐れがありますので、こうなると大惨事になります。(-_-;)
こうなる前に劣化が進んできたら、FEPフィルムを取り換えておきましょう。
張り替え作業に必要なもの・あったら便利なもの
FEPフィルムの貼り替え作業には以下のものが必要、もしくはあれば便利といったものを紹介いたします。
FEPフィルム
言わずもがな貼り替え用のFEPフィルムです。今は各メーカーの光造形機用のフィルムがありますが、所有されております機器にも該当すれば、問題なく使用できると思います。
六角レンチ
レジンバットとフィルムの取り外し・取付の際に使用します。Anycubic photonを購入時に付属されていた各レンチ類があればそれで対応可能です。
ペットボトルの蓋
新品のFEPフィルムへ取り付ける際に使用します。一般に売っているジュース等の500ml等のペットボトルの蓋でOKです。高さ等が類似しているものであれば、他で代用してもOKです。
キムタオル
取り外した部品が汚れているかもしれないので、これがあると作業机等が汚れないのであると便利です。
クレンザー
取り外した部品類でかなりの固着汚れがあるとアルコール等では落ちない為、これがあると便利です。これと磨き用の布も欲しい所ですね。
真鍮ワイヤーブラシ
取り外したネジ類にかなりの固着汚れがあると場合、これがあると便利です。
千枚通し
新品のFEPフィルムを取り付ける際にネジ穴部に穴を開ける為にあると便利です。無ければ、小さめのマイナスドライバーや先端が尖ったものがあれば十分代用可能です。
カッター
新品のFEPフィルムを取り付ける際にネジ穴部に穴を開ける為にあると便利です。無ければ、小さめのマイナスドライバーや先端が尖ったものがあれば十分代用可能です。
FEPフィルム 取り外し/取り付け手順
レジンバットの構成
FEPフィルムの着脱にあたりレジンバットの構成について、解説致します。
(※「Photon-S」のレジンバットのものとなります。
イメージ図としては下図のようにレジンバットの溝内に取り付け枠にFEPフィルムを挟んだ状態で取り付けれております。
フィルムの取り外し手順
FEPフィルムの取り外し手順について解説していきます。
まずは、レジンバットを裏向けにして下図の赤丸部のネジを六角レンチで取り外して、取り付け枠を取り出します。ネジは無くさないよう保管しておきましょう。また
取り付け枠より下図の赤丸部のネジを六角レンチで取り外して、上下枠をバラシてフィルムの取り外します。
取り外した各部品にひどく汚れが固着している場合は、クレンザーや真鍮ワイヤーブラシを使って汚れを落としておきましょう。
クレンザーを使うと下図のように綺麗になります。
フィルムの取り付け手順
次はFEPフィルムの取り付け手順について解説していきます。
新品のFEPフィルムと清掃した取り付け枠(上下)、ペットボトルの蓋を用意します。
取り付け枠の下側を置き、中央付近にペットボトルの蓋を置きます。その上にFEPフィルムを枠全体に被るように設置する。更にその上から取り付け枠の上側を下側の枠の各穴位置と一致するようにセットします。
注意
※取り付け枠の下側/上側、裏表があるので注意です ※フィルムに傷や皺が出来ないよう、慎重に行いましょう!
上下枠の位置をセット出来れば、枠を抑えながら各穴部に千枚通しでネジの取付用の穴を開けます。
その後、各ネジを取り付けて、枠外の余ったFEPフィルムをカッターで切り取ります。
ポイント
ペットボトルの蓋を使う理由としては、取り付け枠にFEPフィルムを取り付ける際にフィルムに少し撓みを持たせる為に使用します。上記のようにFEPフィルムが少し撓んだ状態の取り付け枠をレジンバットの溝に取り付ける際にフィルムが引っ張られるので、この時にピンと張った状態になります。
フィルムを取り付けた枠をレジンバッドの溝にゆっくり嵌め込む。この時にフィルムが引っ張られるので慎重にセットする。後はネジを取り付ければ完成です!お疲れさまでした ^^) _旦~~
張り替え後にテスト造形してみます。
問題なく造形出来ました!
もし失敗する場合には、Z軸のレベリングを再調整するか、フィルムに改めて問題ないか確認しておきましょう。
参考記事
今回はレジンバットのFEPフィルムの張り替え方法について解説致しました。
FEPフィルムは多少傷や凹凸があっても造形は可能ですが、破れてしまうと非常に厄介な大惨事になりますので、劣化してきたな~と感じましたら、張り替えておきましょう(‘ω’)ノ 汚れも結構固着している部分もあるので、清掃しておきたいですね(^^♪
以上
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
Special Thanks to YOU!
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