前回に作成(失敗)したゼネバストップ機構部品について、今回は設計修正・再造形してみた事例を一つずつ作業内容毎に紹介していきたいと思います。
※本ページは下記記事の続編となっておりますので、まだ見られていない場合は一度下記記事を御参照頂ければ幸いです)
参考記事
ご参考になれば、幸いです(^^♪
設計修正
3D CAD
3Dデータ設計は、例のごとくAutodesk社の「Fusion 360」の3D-CADを使って設計していきたいと思います。こちらの 3D-CAD は個人利用であれば無料で使用できる 3D-CAD であり、操作性はかなり使いやすいものとなっております。
修正内容
×字ホイール、軸A、軸B
前回造形した②×字ホイールを組付けしてみたのですが、①円形ホイールとの噛み合わせが固い、また④軸Bとの組付け後が固く上手く回らないようでしたので削りながら仕上げしていたのですが、残念ながら上図のように割れてしまいました…(-_-;)
再度造形という事ですが、もう少し相手物とのクリアランスを拡げるよう設計修正してから再造形を行います。
また③軸A,④軸Bも造形後の歪みにより、組付けが出来なかったという事から改めて造形方向を見直して再チャレンジしてみます。またこちらも各ホイールを安定して台座に乗るように台座部分を拡げるといった設計修正を行ってから再造形してみます。
設計修正
3D-CADより設計データを読み込み、②×字ホイール側は上図のように×字溝 及び 中央ボス穴を0.1mmオフセットして拡げます。また③④軸ABに関しても、台座部分の寸法φ11に拡げて台座部を拡張させます。(※④軸B側の台座面積を拡げすぎると、①円形ホイールと干渉してしまう為、注意が必要です。)
因みにFusion360で過去設計履歴を確認・修正するには、画面下部にこれまで作成してきた履歴アイコンがあるので、該当する箇所を探しながら修正する事が出来ます。もし知らなかった方がいらっしゃいましたら、是非活用してみて下さい!知っておくとかなり便利な機能です!
↑赤枠部が履歴となります
造形準備
スライス設定
設計修正した部品データを前回同様にSTL形式へ変換した3Dデータから anycubic photon機専用のスライサーソフト「Photon Workshop」を使ってスライス設定していきたいと思います。
設計時に造形プラットフォーム内に収まるように、配置する必要がありますので、上図のように2回に分けて造形します。(※photon Sの場合は、造形プラットフォームサイズは、115mm ×65mm です。)
③軸A 及び ④軸Bは前回の失敗より、今度は造形方向を立てて造形したいと思います。
ただやはり台座部分は少し中空部位がありますので、前回と同様、上図のようなサポートを設定します。
レジン
レジンはいつも通り、処理が簡単な水洗いレジンの「ELEGOO Water Washable Photopolymer Resin」を使用します。
※UVレジンは、アルコール洗浄のものが多いですが、アルコール溶剤は匂いやアレルギーに対しての懸念また廃液処理等が面倒ですので、やはり後処理が簡単な水洗いレジンがおススメですね(^^♪
造形
それでは、スライスしたデータとレジンにて造形を行ってみます。変換したデータをUSBに移して造形機へ挿して造形を進めていきます。
※ファイル名を日本語にすると文字化け、造形が出来なくなる可能性がありますので、なるべく英語表記でのファイル名にしておきましょう。
今回軸を立てたことで、造形時間が約4時間と長くなりました…。致し方なし(-_-;)
それではいつも通り造形を開始させ、終わるまで気長に待ちます(-_-)zzz。
…
100%となり、造形が完了しました。
さて、造形成功か失敗かドキドキする瞬間です( *´艸`)
↓結果は、、、、
付いてますね!いい感じです!(;’∀’)
この時プラットフォームに付いていない場合は、スライスデータにボトム層が無かったり、ステージの高さ0設定にクリアランスがある事で失敗したりしますので、再度見直してみましょう。
プラットフォームから造形品を取り外し、2次硬化し造形状態を確認します。
×字ホイールの方は特に問題なさそうです(^^♪
軸A、軸Bの方はサポートを外してみると、台座面が少し歪んでいる状態でした。歪みを考慮するとサポート足を更に拡張、増設する事が望ましいのですが、仕上げが大変であり、また仕上げ中に製品部が欠けたりする恐れがありますので、一旦これでOKとしておきます(-_-;)
完成
これで修正分も含めて各パーツが完成しました!
それでは、完成した各部品を組付けてみましょう!
ベースと軸とがまだ固い部分がありましたので、少し削る事で無理なく挿しこめ、また回転駆動もスムーズとなりました!ただ、やはり軸の台座面の歪み等で各ホイールが僅かに水平から歪んでいるように感じます。
それでは、ホイールを回して連動駆動するのか検証してみましょう!
検証結果としては、ゼネバストップ機構はスムーズに稼働しました!( `ー´)ノ
①→②→③→①…の駆動で、円形ホイールのボスを×字ホイールの溝が受けて90度回転し、また円形ボスが回り戻ってきたらまた①に戻るといった機構となります。写真だけですが、実際は早く回しても一瞬で上記の稼働が起こり、機構としては良好なようです。ただし、やはり歪みがあるせいか何回か回していると円形ホイールと×字ホイールが干渉してしまい、止まってしまう時があります。もう少し歪みがなくせば、更にスムーズに回り続ける事が出来そうです。
今回は前回失敗したゼネバストップ機構の設計修正と再造形編として、解説致しました。今回はいい感じですのでこれでOKとして、また手遊びとして触っていきたいと思います( `ー´)ノ
3D-CADや造形も慣れれば、短時間で製作する事も可能ですので、是非チャレンジ頂ければと思います!(*´з`)
以上
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
Special Thanks to YOU!
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